2005年09月の日記

全天周映像ブーム?
今、アメリカで全天周映像がブームです。現在の全天集映像システム(コンピュータグラフィックスでリアルタイムにレンダリングした映像を複数のビデオプロジェクターを使ってシームレスにつなげて全天を覆う)が製品化されたのはほぼ10年前ですが、今になってブームになっているのは何故か、いや、そもそもブームなのか、考えてみました
仮説です。

【1】機材が安くなった
映像を作成するためにはそれなりの機材が必要です。10年前はsgi(当時のシリコングラフィックス社)の数百万〜数億円するコンピュータと、それらに載るソフトウェアと、高輝度三管式ビデオプロジェクターが必要でした。機材だけで数億とか、そんな感じ。
今は、普通のPCに数万円のビデオカードを積めば当時の性能は出せます。ソフトもフリーで手に入るもので十分。プロジェクターはDLPを使えばそこそこ写ります。

【2】各メーカーの方式が似通ってきた
昔は、複数のビデオプロジェクターを組み合わせる方式、フィッシュアイレンズを使う方式、ベクトルスキャンする方式など、色々ありました。現在は最初の方式(組み合わせ式)が一般的です(小規模ドームではフィッシュアイも使われる)
方式が似ているということはコンテンツに互換性が生まれる可能性があり、ソフトの流通ができます。コンテンツを制作する方もマーケットが広がると言う意味で歓迎。現にアメリカでは標準化の議論が進行しています。

【3】デジタルユニバースのインパクト
アメリカ自然史博物館のデジタルユニバースというソフトウェアが登場し、同館のヘイデンプラネタリウムで上映されています。しかも、このソフトはフリーでダウンロードできます。デジタルユニバースは良くできたソフトで、太陽系近傍から大宇宙の構造までをシームレスに三次元で視覚化することができます。このようなソフトが登場したお陰で、それを上映できる設備の要求が増した、とも考えられます。
(PlayStationはPlayStationが素晴らしいのではなく、それに載るソフトが魅力的で普及した、という理屈)

アメリカ以外はどうか、と言うと、中国では北京天文館が注目を浴びています。ヨーロッパではフランスに導入されているところがあります。日本でも東京のサンシャインをはじめ、各地に施設があります。ただ、ブームか、と言われると、ちょっと違うかも知れません。コンテンツ提供者と上映施設者とメーカーが垣根を越えて意見交換する、という場は(舞台裏はともかく)ありません。
気になるのは、中国もフランスも、日本の設備の多くも米国製のシステテムを採用している点。製品はどこの国でもかまわないのですが、標準化という話になると米国以外の国からの発言はないのかな?と思っています。

PS
デジタルユニバースに匹敵するようなソフトウエアが日本でも作られていますが、プロモーションの問題なのか、法制上の問題なのか、文化的な問題なのか、あまり知られていません。
(2005.9.21[Wed])

シンデレラ
シンデレラの本名は?という疑問を持ちました。調べてみると「エラ」だという回答が出てきましたが・・・。

シンデレラは“灰かぶり”という意味。言わばあだ名です。
Cinderが「灰」でellaが女性の愛称を表す接尾語。「エラ」が本名というのはおかしい気がします。(“灰の娘”の“娘”が本名?)

実は本名は別にあったけれども話の本筋に関係ないし、シンデレラという名前が有名になり過ぎて失われたか、各地にシンデレラの原話があって、各々別の名前が使われていたのでいつの間にかあだ名で統一されたか、という経緯ではないかと想像しています。
(2005.9.20[Tue])

T/Mori Internet Projectsページにもどる
バックナンバーリスト
Powered by HL-imgdiary Ver.3.00