こねっとQ&A

Q&A[1243] Forum:R 3/5 うるう年の日のズレ

地球は、太陽の周りを約1年かけて公転してますよね。 で、4年に1回ズレを直すために1日多く回りますよね。 じゃぁ、その1日分のほんの少しだけのズレは どこで補われるのですか。 何年か前に香港全体(多分ここだったと…)で、 みんないっせいに時計の針をずらしたと 聞いたことがあります。 これはそのズレと関係あるのですか。

Q&A[1075] 公転のせいで昼夜逆転しないの?
http://www.bekkoame.ne.jp/~t-mori/Konet/Konet1075.html
の続編のようなご質問ですね。

主旨しゅしは4年に1回の閏年うるうどしだと正確ではないはずで、残りの誤差はどうなるのか? ということでよろしいでしょうか。基本的には閏年うるうどしは4年に1回で正しいのですが、実は例外もあります。閏年うるうどしは下記の約束で決められています。

西れきの年号が4で割り切れる年 閏年うるうどし
西れきの年号が100で割り切れる年 平年へいねん閏年うるうどしを取り消す)
西れきの年号が400で割り切れる年 閏年うるうどし閏年うるうどしの取り消しを取り消す)

上記でいきますと1年の長さは

365+14-1100+1400=365.2425 (日)

になります。地球の公転周期しゅうき(太陽の廻りを廻る時間)は平均365.2422(日)であることが分かっていますので、1年あたりの誤差は0.0003(日)=25.92(秒)です。1年あたり26秒の誤差では季節がずれるほどの影響はありませんので、この仕組みのこよみを使っています。

ちなみに西れき2000年は400年に1回の閏年うるうどしの取り消しの取り消しの年にあたり、非常に珍しい(?)閏年うるうどしです。

※現在日本で使われているのは「グレゴリオれき」と呼ばれるものです。上で説明したこよみです。以前は閏年うるうどしの取り消しなどの操作をしない「ユリウスれき」というこよみが使われていました。ユリウスれきの1年は365.25ですから、1年につき0.0078(日)=11.2(分)の誤差が生じます。これは長い間には季節とのずれが問題になりますので、1582年に現行のグレゴリオれきに改められました。

※日本では太陰たいいん太陽れき→ユリウスれき(1872〜)→グレゴリオれき(1898〜)のように変遷へんせんしています※1

なお、ご質問に出てきた「時計の針をずらした」とは「うるう秒」の補正のことを指していると思われます。うるう秒は地球の自転の変化と原子時計のずれを補正するために導入されています。地球の自転の変化の主な原因は潮汐ちょうせきによって地球の自転周期しゅうき(1日の長さ)が長くなることです。おおむね1年に1回、1秒のうるう秒が挿入そうにゅうされることが多いようです。

※1 日本では1872年に太陰たいいん太陽れき(天保れき)が廃止され、明治5年12月2日の翌日を明治6年1月1日としました。この時の明治政府の意図は、太陰たいいん太陽れきからグレゴリオれきへの改れきでしたが、置閏法ちじゅんほうに誤りがあり、ユリウスれきと同じ仕組みになっています(ただし、ユリウスれきとの連続性に欠けています)。この誤りが正されたのが1898年の勅令ちょくれいです。
なお、100で割り切れる年も400で割り切れる年もこの期間存在しないので、実害は発生していません。事実上、太陰たいいん太陽れきからグレゴリオれきへの改れきが行われたことになります。