宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第26話 罠

王が倒れたという知らせを受けた水刺間の一同は驚くが、とにかく事態を把握するべきとチャングムに促され、ハン最高尚宮は王のもとに向かう。高熱を出して意識の無い王を診察した侍医は、王后(妃)や王太后(大妃)に説明を求められるが答える事が出来ない。オ・ギョモから王の病気が回復しなければ命は無いと脅かされる侍医とチョン・ユンス医務官。別の医務官からも、診断と処方に誤りが無いのなら王の病状が悪化するのはおかしいと指摘される。窮地に立つチョン医務官たち。
王が倒れたという知らせはチェ尚宮たちにももたらされる。チェ尚宮は千載一遇のチャンスと捉える。チェ・パンスルに手紙を書き、ハン最高尚宮に責任をなすり付ける工作を始める。パンスルはチョン医務官を見つけ、力になると言う。ハン最高尚宮が食べ物に毒を入れた事にするというのだ。自分の身が危ないチョン医務官は、その工作に同意する。まずチョン医務官は武官を連れてハン最高尚宮を連れ出す。ハン最高尚宮はオ・ギョモらから、食材に問題があったのではないかと指摘される。そして、現地で新鮮な野菜、魚介類、そしてアヒルを調達した事が明らかになる。ハン最高尚宮は調査が行われる間は監察房に入れられる事になった。

チェ・パンスルは、医務官たちの食材調査の際、「毒キノコを渡した」と偽りの証言をする者を手配したという話をチョン医務官にする。
一方、カン・ドックはヨンセンから王が倒れた話を聞き、何かの陰謀だと言う。そして、王子が倒れた時にチャングムが助けてくれたお礼に、自分が事実を明らかにしてチャングムと王を助けると言う。家の前でアヒル料理を作って実験するトック。ナジュテクはそれを非難するが、チャングムを助けたいと言う話に渋々納得する。そこにミン・ジョンホがやって来て、王が倒れた話とハン最高尚宮が取調中である事を知る。チョンホも事態を把握するために調査すると言う。
その頃、チョン医務官は現地での食材調査の際、アヒルが猛毒の硫黄の混じった水を飲んでいる事実を掴む。これが王が倒れた原因と早合点する。その知らせを聞いたチェ・パンスルも、毒キノコの手筈は必要無かったと喜ぶ。
硫黄アヒルの件を取り調べで尋ねられたハン最高尚宮は、それを知らなかったと弁解する。しかし、ハン最高尚宮は役所に連行される事になった。途中チェングムに出会い、アヒルの件を調べてほしいと頼む。チャングムは菜園のチョン・ウンベクに相談しようとするが、ウンベクは出て行った後だった。チャングムはカン・ドックに助けを求める。トックはチョンホと、チョンホの知り合いの医者を連れてアヒルを売った商人に会いに行く。
チェ・パンスルはハン最高尚宮とチャングムを陥れようとオ・ギョモに手を回す。オ・ギョモは、チョ・グァンジョ一派の排斥を狙ってこの事件を利用する事をもくろむ。
現地についたチョンホ一行は、アヒル商人からアヒルに問題は無いと言う説明を受ける。同行した医者も、アヒルが硫黄を解毒するので人間が食べても問題ないどころか、かえって健康に良いと言う。これで助かると思ったのもつかの間、その場に役人が到着し、大逆罪の疑いで商人を役所に連行してしまう。さらに宮中では、チャングムも大逆罪の疑いで連行されてしまった。尋問官に任命されたオ・ギョモは、ハン最高尚宮らを厳しく取り調べる。アヒルを使ったのは誰の差し金かとハン最高尚宮に問いただすが、誰の指示でもないと答える。
チョンホは、ハン最高尚宮らが窮地に陥っている事態を打開するため、宮中に行き、内禁衛の長官にアヒルに問題は無い事を説明する。しかし、オ・ギョモらの不正の十分な証拠を掴んでいない間は、うかつに追求できないと説得され、ひとまず宮中を去る。だが、その姿をパク・プギョムに目撃されてしまう。
その後、内禁衛の長官は侍医らを訪ね、アヒルに問題は無いはずだと指摘する。硫黄を取り除く処方をしても王が快復しない事から、実はアヒルに問題が無い事を知っている侍医たちは狼狽える。また、内禁衛の長官はオ・ギョモの取り調べの現場に向かい、取り調べを中止するように言う。アヒルに問題が無い事が判明したので、しばらく取り調べが中止になったというのだ。
チェ・パンスルたちは、ハン最高尚宮たちへの追求が止まってしまった事態を憂慮する。そして自分たちを妨害しているのがチョンホらしいことを掴み、部下に動きを探らせる。
ナジュテクがチョンホの使いで牢にやって来る。チョンホからの手紙をチャングムに渡す。そして、返事を書けるようノリゲを差し出す。それを見て驚くチャングム。それは父親の形見だった。錦鶏の調達に行ったとき助けた武官はチョンホだったのだ。驚くナジュテクとチャングム。
ミン尚宮、ヨンセン、そしてチャンイは女官長の執務室に、ハン最高尚宮が放免されるように働きかけてほしいと直訴に来る。そんなに簡単ではないと一喝され、引き下がる三人。
パンスルの部下は、チョンホがオ・ギョモらの不正とチェ・パンスルとの結びつきを掴んでいることを知る。ピルドゥはそれをパンスルに報告する。パンスルとチェ尚宮は、チョンホをチョ・グァンジョと結びつけ、ハン最高尚宮やチャングムとまとめて片付けようと言う。それを聞いて動揺するクミョン。打ち合わせのため料亭に向かったパンスルの前にクミョンが姿を現す。クミョンは「チョンホだけは駄目だ」と言う。訝しがるチェ尚宮たち。しかし、クミョンにチョンホを慕っていると打ち明けられ、驚く。クミョンが去った後、チェ尚宮とパンスルは、事態をどう収めるか苦悩する。
牢の中でハン最高尚宮とチャングムが話している。チャングムは、母親に出来なかった事をハン最高尚宮にしてあげたいと言う。その時武官がやって来て、牢から出るように命じる。

解説

後に言う「硫黄アヒル事件」です。ハン最高尚宮の失態(食材の調べを十分にしなかった事)と偶然(王が倒れた事)を千載一遇のチャンスと捉えたチェ一族とオ・ギョモが、ハン最高尚宮たちに攻撃を仕掛けます。また、立場が危ういチョン・ユンス医務官たちもそれに加担します。しかし、因果は巡ります(第43話)。そして、王の病気の原因が判明するのはかなり後になってからです(第45話)。

今週の名言

「女官として生きる辛さは、お兄様には分かりません」

クミョンがミン・ジョンホを慕っていると打ち明けたとき、チェ・パンスルがクミョンを批判したのをチェ尚宮がかばった台詞。この直前チェ尚宮はクミョンに、ミョンイの死に関わった事を話した時の涙は、最高尚宮になれなかった時に流した涙よりずっと辛そうだった、と指摘されています。チェ尚宮はクミョンを非難する立場にありますが、女官として、またチェ一族を支える歯車として生きてこなければならなかった自分の境遇と合わせて、クミョンを思わずかばってしまったという場面です。