宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第32話 無罪放免

済州島の行政官がオ・ギョモと会っている。オ・ギョモは行政官が倭冦を首尾よく撃退したという報告を知り、機嫌が良い。王からも褒められているという事で、都で仕事をするように依頼する。また、女真族の撃退に功績のあったキム・チソンも都に呼ばれる事になったが、それを牽制する役を担ってほしいとも言う。
義禁府での取り調べを受けているチャングムは、倭冦と通じていた事は無いと、無実を主張する。そこにミン・ジョンホがやって来て、取り調べを中止するように申し立てる。チャングムは無罪であるどころか、倭冦の情勢をチョンホに手紙で知らせた功労者だと言うのだ。取調官は難しい顔をする。
オ・ギョモと内禁衛の長官の前で、チョンホは済州島での倭冦撃退の真相を話す。事情を知ったオ・ギョモだが、敵の大将を治療した事実に変わりはなく、王からも厳しく罰するよう命令が出ていると反論する。

その頃、内医院の医女たちが「済州島の女」の噂をしている。医女として、住民が殺される事になっても敵方の治療をしてはいけないのか、判断に迷うところである。そして、その話を王后にする。王后は訪ねて来た王に、「済州島の女」の話と、「細かな事実」について話をする。
王は玉座で怒っている。真相を知った王は、「済州島の女」が民を救うために止むなく敵の大将を治療したのに、それを罰するとは本末転倒だと言う。オ・ギョモたちは返す言葉も無い。無事釈放されたチャングムをチョンホとクマンが迎える。今回のチャングムの釈放にはチョンホの働きも大きかったとクマンが言う。そこにチョン・ウンベクがやって来る。ウンベクは「済州島の女」の話を聞いていて、それがチャングムだった事を知る。ウンベクは、チャングムに何か話があるらしく、後で屋敷を訪ねると言う。
チョンホは内禁衛の長官から、都に戻るように説得される。キム・チソンも都に戻るので、一緒に都で仕事をしようというのだ。しかし、チャングムの事があるチョンホは、即答できない。
ウンベクはチョンホの屋敷に泊まっているチャングムを訪ねて来る。チャングムが復讐のために医女を目指しているのは誤りで、思い直すように説得する。しかしチャングムは、それではできないと答える。ウンベクは、近々医女試験があることを、とうとうチャングムに話さずに帰ってしまった。帰りにチョンホに会ったウンベクは、チャングムの復讐を思いとどまらせるよう説得してほしいと頼むが、チョンホはそれを断る。チャングムは道を踏み外すような人では無いし、仮にそうなったとしてもそれはチャングムが決める事だというのだ。その夜、チャングムとチョンホはそれぞれ思いに耽っていた。
翌日、カン・ドック夫妻がチャングムを訪ねて来る。得意の料理でもてなすチャングム。それを美味しそうに食べるトックとクマン。ナジュテクは、チャングムが自分の家を訪ねてこない事を薄情だと非難するが、チャングムは別れが辛くなるからと答える。その答えに言葉を失うナジュテク。
チャングムが済州島に出発する前の日、チョンホと話をする。チャングムはチョンホに、都に残って正義を貫ける力を蓄えてほしいと言う。その言葉に、チョンホも都に残る決心をする。翌朝、チャングムが既に出発した事を知ったトックは、慌てて後を追う。チャングムは道中、ハン尚宮が埋められている現場を通りかかる。そして、クマンに墓を作りたいと言う。渋るクマン。そこにトックが追いついて、墓を作る事にする。しかし、墓を作り終えたところに少年がやって来て、ここに墓を作ってはいけないと言う。チャングムは少年の様子を見て、病気にかかっている事を言い当てる。少年の家で、自分に治療をさせてほしいと申し出る。少年は、父親の反対を押し切って治療させる事にする。チャングムは牛の肉でスープを作り、少年に飲ませる。少年は苦しがるが、チャングムは治療を続ける。チャングムの治療のかいがあって、少年は完全に快復する。父親も喜ぶ。そして、ハン尚宮の墓を建てる場所を見つけ、お参りもすると約束してくれる。その時チャングムは、父親から医女試験がある事を聞く。しかもそれは翌日だというのだ。チャングムは医女試験を受ける決心をする。
試験会場に慌てて駆けつけるチャングムたち。何とか試験会場に入る事ができる。チャングムが試験場に入ると、そこにウンベクがいた。ウンベクは試験官だったのだ。医学の質問にすらすらと答えるチャングム。しかし、ウンベクが難問を出す。自分の仇が受診に来た時、治療するか見捨てるか、というのだ。チャングムは「決めかねている」と答える。
試験場から出てきたチャングムは元気が無い。ウンベクの質問で「下」を付けられ、不合格になったというのだ。チャングムはトックの家で、医女になる事と復讐を遂げる事は同時にはできないのかと悩む。
翌日、合格発表を見に行ったチャングムたち。トックは合格者の名前にチャングムがあるのを見つける。喜ぶトックたち。チャングムも信じられないという面持ちで喜ぶ。ウンベクに会ったチャングムは、ウンベクから、仇を治療するか決めかねていると答えたので、自分も判断を保留したと言われる。
トックの家でささやかな祝宴が開かれる。しかし、クマンが元気が無い。自分だけ済州島に帰らなければならず、寂しいというのだ。それを聞いたチョンホは、クマンが都に残れるよう手配すると言う。その後、チョンホとチャングムは、都に残れる希望が出てきた事を喜ぶ。チャングムならきっと宮中に戻れる、そして、復讐も成し遂げられるとチョンホは言う。
翌日、医女の修練が始まる。修練を担当するのはシン・イクピル教授。教授は開口一番、「今までの知識を全て忘れ、自分の言う事を全て受け入れろ」と申し渡す。

解説

第1話に出てきた老師に匹敵する不思議な少年が登場します。また、この縁でチャングムは医女試験を受ける事ができ、無事合格します。さて、私の一番好きなキャラクターであるシン・イクピル教授が登場しました。今後の活躍に期待。

今週の名言

「例えそうなっても、チャングムさんが決める事です」

チャングムが医女になって復讐するというのを止めるよう説得してほしいと、ウンベクがチョンホに依頼した時、チョンホが答えて言った言葉。チャングムは道を外す事はないし、例え踏み外してもそれはチャングムが決める事、という立場の表明です。一見冷たく思える台詞ですが、チャングムを信頼し、チャングムと運命を共にするという宣言でもあります。この後、チャングムはさらなる試練を迎えますが、チョンホの助けでそれを乗り越えて行きます。