宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第49話 つかの間の和み

昔を回想する王。幼いチャングムが酒を配達に来て、側の尚宮に変な挨拶をしたこと。酒の名前をすらすら話したこと。そのチャングムが、宮中で仕えていたのだ。王は、チャングムに何か望みは無いかと尋ねる。チャングムは、もう一つあると答える。自分を活人署に送って欲しいというのだ。王や周りの役人は驚く。チャングムは、民のために働き精進したいと言う。王はその話を聞き、「男なら医務官にするものを」と残念がりながらも許可する。
内医院の新しい責任者として、イ・グァンヒが着任する。今回は正規な手段で無く王の治療をしてしまったため、秩序が乱れたと言い、これからは秩序を取り戻さねばならないと宣言する。また、新たな医局長にシン・イクピルが就任し、チョン・ウンベクも医局長補佐になり、一階級昇進する。

イ・グァンヒが退席した後、ミン・ジョンホは自分のせいで内医院の秩序が乱れたことを詫びる。しかし、医務官たちは自分たちにも刺激になったと答える。医女の新たな体制について議論を始めようとしたところ、チャングムが発言を求める。自分は活人署に行くことになったというのだ。一同は驚く。シン・イクピルとチョン・ウンベクは、さらに精進したいと言うチャングムの話を聞き、快く受け入れる。他の医女たちも、チャングムを認めている。
チャングムは、シンビにヨンセンの世話を頼むが、ヨンセンは寂しがる。また、王后(妃)に挨拶に行く。王后は、必要なときは駆けつけるようにと依頼する。
感慨深げに宮中を出るチャングム。カン・ドックの家に帰ったチャングムは、活人署に行くことになった経緯を知らないトックとナジュテクから非難されるが、チャンドクは珍しくチャングムを褒める。翌朝、早くから出かけようとするチャングムに、ナジュテクは呆れる。活人署に行くと、チョンホが子どもたちに凧を作っている。チャングムはチョンホに、「優れた医者とは、ただ病を治すだけでなく、病人に病と戦い病に打ち勝つ勇気を与える医者だ」と言い、チョンホがチャングムより良い医者だと嬉しそうに言う。しかし、チョンホは何故かつれない態度だ。活人署には多くの病人やけが人が訪れ、チャングムは休む暇も無い。ある日、思い立ってチョンホ屋敷に立ち寄る。しかし、「何か御用ですか」と冷たい態度。子どもたちに字を教えてほしい、凧を作ってあげてほしいと言うが、「分かりました」と言ってそのまま屋敷に入ってしまう。チャングムは、「本当はチョンホ様に会いにきたのに」と小声で言う。
朝、チャングムは活人署に来ていたチョンホに会う。そのまま帰ろうとしたチョンホだが、チャングムは毎日来てくれないかと頼む。チョンホが何故かと尋ねると、チャングムはやっと「チョンホ様に会いたいから」、と本音を言う。チョンホは、それを聞いて笑い、チャングムをからかったと言って去って行く。
おやつを用意したチャングムは、病気の子どもがチョンホにたたかれようとしているのを見つける。チョンホは、宿題をやって来ると言ったのを忘れた罰だと言う。チャングムは、たたけば字を覚えるものでもない、と子どもをかばう。
水刺間では、クミョンを継いだ最高尚宮が、高齢を理由に引退を決意する。そこで、キョンウォン王子の誕生祝いを競い合いとし、新たな最高尚宮を選ぶと言う。ヨンセンの前では、ミン尚宮は、最高尚宮にチャレンジするつもりは無いと言うが、チャンイには競い合いに参加すると言う。
キョンウォン王子の誕生祝いは盛大に行われ、いよいよ最高尚宮が発表される。ミン尚宮に決まった。うろたえるミン尚宮。内侍府の長官から、すぐに引き継ぎを行うように言われるが、猶予が欲しいとしどろもどろになり、呆れられる。
カン・ドックの家を尋ねたミン尚宮から最高尚宮就任の話を聞いたトックとナジュテクは、「本当に大丈夫か?」と疑う。「チャングムはまだか」と言うミン尚宮だが、そこにチャングムが帰ってくる。思わずチャングムに抱きつくミン尚宮。
チャングムは、いままで付けてきた料理に関するノートをミン尚宮に渡し、励ます。ミン尚宮は勇気づけられる。そこにシンビがやって来る。王后が呼んでいるというのだ。
王に料理を出して、心配そうに見守るミン尚宮。こらえきれず、「不相応な地位に就いてしまった」と王に言う。王は、「美味である」と一言。ミン尚宮のチャレンジは続く。
一方、王后殿を訪れたチャングムは、王后からキョンウォン王子を呪った札を見せられる。自分の気が休まることは無く、自分のために東宮殿付きの医女になるよう依頼される。退出する時、チャングムは至密チミル尚宮に呼び止められる。至密チミル尚宮は、王后の真意を説明する。王后の地位を脅かす東宮を密かに暗殺せよというのだった。驚くチャングム。
チャングムは、王后の命令で内医院に戻り、王后と東宮の担当になる。しかしチャングムは、内医院でチョン・ウンベクの説明を上の空で聞く。また、東宮の世話もぎこちない。
チャングムは活人署を訪れる。チョンホが字を教えに来ていて、チャングムと会う。チョンホは、田舎で小さな寺子屋と薬房を開こうと提案する。それを聞いたチャングムは、涙ぐむ。チョンホが「嫌ですか」と聞くと、「小さな薬房では嫌です」と答える。チョンホは慌てて「薬房は大きくしましょう」と答える。真意に気づかないチョンホ。
宮中で王后は、チャングムに「辛いであろう」と声をかける。また、自分も辛いと言う。
チャングムは、チョンホを門で待ち、市場に一緒に買い物に行く。贈り物を選ぶと言う。チョンホは、ノリゲをチャングムに渡す。チャングムは、父親の形見のノリゲをチョンホに贈る。
翌日、チャングムは王后を訪ねる。そして、自分の命を返すと言う。人の口に入る料理が権力に利用されるのを嫌ったハン尚宮の意志を自分は継いでいるというのだ。
その時、王が王后殿にやって来る。至密チミル尚宮は王后に声をかけようとするが、取り次げない。王は、王后とチャングムの会話を聞いている。チャングムは、「命は差し上げられても、心は差し上げられない」と涙ながらに言う。それを聞いて王后は、自分の至密チミル尚宮になるように言う。
取り次ぎを受けた王は、何食わぬ顔で王后と話をする。その後、王は内侍府の長官に、チャングムを密かにヨンセンの部屋に呼んで来るよう指示する。
チャングムは、薬房で苦しんでいる。事情を知らないシンビとチボクは訝しがる。そこに、内侍府の長官がチャングムを呼びにくる。
王はチャングムに、王后に何を言われたか言うように命じる。しかし、チャングムはそれを断り、自分の命を取ってほしいと言う。
ヨンセンの部屋を出たチャングムは、チョンホを思い出す。チョンホを探すチャングム。しかし、チョンホはなかなか見つからない。やっと夜になって、チョンホに出会う。チャングムは、涙ながらに自分を攫って逃げてほしいと言う。チョンホは、翌朝辞表を出すと答える。
チョンホは右議政に辞表を出しに行くため、王殿に向かう。チョンホは王殿で、王がチャングムを自分の主治医にすると宣言しているのを聞く。驚くチョンホ。一方チャングムは、トックとナジュテク宛の置き手紙を部屋に残して出て行く。

解説

前半で終わっていれば、平和な回でしたが、後半はチャングムが苦しみます。チャングムは、母ミョンイとハン尚宮の無念を晴らすために行動した訳ですが、結果的にオ・ギョモらを失脚させ、宮中内のパワーバランスを変えてしまいました。また、そのパワーゲームにチャングム自身も巻き込まれて行きます。
#ちなみに、何の説明も無く大臣が変わっていますが、左賛成(チャチャンソン)→右議政(ウィジョン)、イ・グァンヒ→左議政(チャイジョン)でよいのでしょうか・・・。また、右議政だったオ・ギョモは現実主義だったのに対し、新右議政とイ・グァンヒは儒教原理主義的(女性の活躍に否定的)です。この事がさらにチャングムを苦しめます。

今週の名言

「命は差し上げられても、心は差し上げることができません」

王后の東宮暗殺指令を断ったチャングムの台詞。良い台詞です。この物語のもう一つのテーマですからね。