宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第50話 波紋

チャングムを自分の主治医にするという王の命令を聞いて驚く王后(妃)。その頃、チャングムとミン・ジョンホは宮廷の外で落ち合う。また、右議政はチョンホの辞表をチョンホの部下から受け取っていた。右議政は、すぐにチョンホを探すよう命じる。カン・ドックは、チャングムの置き手紙を見つけて驚く。しかし、ナジュテクは二人の駆け落ちをお見通しだった。それでもトックは、二人を追いかけると言って、ナジュテクの制止を振り切って出かけてしまう。

チャングムとチョンホは船に乗っている。チョンホは、これが夢ではないかと思うと怖いと言う。船着き場でトックはチャングムたちの行方を尋ねている。そのやり取りを密かに聞いている右議政の部下たち。
内医院では、イ・グァンヒ左議政が怒っている。チャングムに、主治医を辞退するよう宣言して出て行く。他の医女たちもチャングムに反発している。しかし、シンビだけはチャングムに味方する。
王太后(大妃)は王后を訪ねる。チャングムを主治医にするなどもってのほかと言い、王后からも王を説得するように言う。議政府でも王の決定に大臣たちが反発している。そこに右議政への知らせが届く。チョンホたちの足取りが掴めたという内容だった。内禁衛の長は駆け落ちの件が他に知れると自分たちの立場が危ういと言い、何としてでも彼らを連れ戻し、チャングムに主治医を辞退させて、事を収拾するべきと言う。
ナジュテクがチャンドクに、チャングムたちが駆け落ちした事を話す。驚くチャンドク。そこに、シンビがやって来て、チャングムが王の主治医に指名された事を知らせる。困惑する二人。
雪道を歩くチャングムとチョンホ。チャングムの両親の話をする。しかし、次の船着き場にやって来た時、右議政の追っ手に見つかってしまう。それでも振り切ろうとするチョンホだが、右議政本人がやって来て、チョンホを説得する。右議政とチョンホは話をする。それをチャングムは外で聞いている。時間をくれと言うチョンホ。右議政はそれを許す。部下は「大丈夫でしょうか」と心配するが、右議政は「必ず帰ってくる」と答える。
チョンホはチャングムに、寺子屋と薬房を一緒に作ろうと提案するが、チャングムはそれを涙ながらに断る。右議政はチョンホに、宮中に戻って事態を収拾するよう、また、チャングムに主治医の指名を辞退するよう命じる。
宮中への帰り、チョンホはチャングムに、主治医を引き受けるように話す。例え女であっても、実力のある者はそれに相応しい地位に就くべきだというのだ。それをじっと聞いているチャングム。
トックの家でナジュテクたちが話をしているところにチャングムが帰ってくる。チャンドクは、チャングムに主治医を引き受けるよう勧める。例え1日でもいいから、医女でも男に負けない実力がある事を示してほしいというのだ。
宮中に戻ったチャングムは、ヨンセンに呼ばれる。主治医を辞退するように言われる。ミン最高尚宮も騒ぎを起こさないで、と言う。内医院ではイ・グァンヒがチャングムに、主治医を辞退するように改めて言う。また、王后からは、自分のチミル尚宮になるように言われる。
王殿で、大臣たちは王に考えを変えるように進言する。しかし、王は受け入れない。そしてチャングムは、主治医を引き受けると言う。驚く大臣たち。
右議政はチョンホに、チャングムに主治医受諾を撤回させるように命じる。しかしチョンホは、撤回はできないと言う。一方イ・グァンヒは、チャングムが主治医を引き受けたのはかえって都合が良いと言う。チャングムは右議政派だから、非難の矛先が右議政らに向かうと言うのだ。
王太后と王后は、ヨンセンの部屋で王とチャングムを密かに会わせたという話をチミル尚宮から聞く。すぐにヨンセンを呼び出す王太后。王太后はヨンセンを厳しく詰問する。ヨンセンは、陰謀の意図などないと答える。
その頃、シン・イクピルはイ・グァンヒに辞表を提出する。チャングムはイクピルに詫びるが、イクピルは「全てを失った」と答える。チョン・ウンベクは、主治医を引き受けるのはチャングムの意志だが、応援はしないと言う。他の医女たちも辞表を書いていた。しかし、シンビは辞表提出を拒む。チャングムは正しいというのだ。
チャンイが内医院にチャングムを呼びにくる。ヨンセンの容態が悪いというのだ。チャングムは、早産と診断し、すぐに治療を始める。難産の末子どもは生まれたが、ヨンセンは心停止してしまう。ヨンセンの早産の知らせは王や王太后にももたらされる。チャングムは必死でヨンセンの治療にあたる。幸い、ヨンセンは回復し、命は助かった。
内医院にチョンホがチャングムを訪ねてくる。チャングムは、主治医を辞退すると言う。自分は人を助けるのが使命で、人を殺す医女にはなりたくないというのだ。
翌日、王殿でチャングムは主治医を辞退すると申し出る。そこに、キョンウォン王子が倒れたという知らせが入る。

解説

前半のチャングムとチョンホの駆け落ちが、後半のヨンセンの早産事件で影が薄くなってしまいました。チャングムとチョンホの船上での掛け合い−「怖いですか」「ときめいています」が良いと思うのですが、NHK版ではカットですね。

今週の名言

「男女の情には何事も超えさせる力がある」

右議政が、チョンホに宮中に戻って事態を収拾するよう説得したときの右議政の台詞。「分かっているじゃないですか」と思わず突っ込みたくなりますが、分かっていても政(まつりごと)を遂行する立場だと自由気侭にはできないという事なのでしょう。右議政はイ・グァンヒらと共にチャングムたちを非難する立場に回りますが、それは立場だなぁと思います。チャングムには、女性でも男性顔負けの仕事ができるという事を示す役割があり、右議政には政治の混乱を収拾し遂行する責任があり、チョンホには正しいと思う信念に従って周りを説得する使命がある。その葛藤が今回描かれます。