宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第4話 母の教え

チャングムとヨンセンが台無しにした王の夜食の代わりに、ハン尚宮はショウガとレンコンで粥とショウガのお菓子を作る。王に出しに行くと、ヨンシン女官長が予定の料理と違うと咎める。しかし、王は食べると言う。だが、献立を見て顔をしかめる。ショウガが苦手なのだ。仕方なく一口食べた王だったが、「うまい」と言う。ほっとするハン尚宮。退膳間に戻ったハン尚宮はチャングムたちが見習いである事を知る。罰として蔵に閉じ込められる二人。チャングムは、ヨンセンが怪我をしていると訴えるがミン女官は取り合わない。
カン・ドックが宮中に酒を配達に来る。ついでに女官たちに物売りをするトック。そこにハン尚宮がやってくる。ハン尚宮の依頼でパク女官(チャングムの母=パク・ミョンイ)を探しているが、芳しい情報が得られないと報告する。一方、トックは、引き取ったチャングムが宮中に上がったので面倒を見てほしいとハン尚宮にお願いする。「機会があれば」と答えるハン尚宮。

その頃、チャグムとヨンセンがいなくなった事で、訓育尚宮たちが慌てていた。宮中を探すよう女官に指示する。女官がミン女官に尋ねているところにハン尚宮がやってくる。ミン女官が、二人の見習いを蔵から出してやるのを忘れた事に気づき、蔵に急行する一同。扉を開けると、チャングムはヨンセンを薬草で手当てしていた。そこにトックがやって来て、「これがチャングムです」と紹介する。訓育尚宮もやって来て、事態を知る。ヨンセンの分まで罰を受けるチャングム。「女官になる資格は無い」と外の掃除を命じられる。チャングムは外で授業を聞いていた。他の見習いたちよりも物覚えの良いチャングム。
チェ・パンスルは上機嫌である。クーデターを成功させ、オ・ギョモの後ろ盾となったチェ一族は安泰と思われた。「人を見る目がある」と自画自賛するパンスル。チェ尚宮もオ・ギョモと義兄弟になってはどうかと提案する。
訓育場では一通りの教育が終わり、試験を翌日に控えた夜、訓育尚宮は一同に訓示する。しかし、チャングムには試験を受けさせないと言う。必死に試験を受けさせてもらえるよう頼むチャングム。訓育尚宮は、水桶に水をいっぱいに入れて、翌日の試験が終わるまで一滴もこぼさなければ、受けさせると言う。チャングムは一晩中水桶を持つ。
ヨンシン女官長が試験を始める。一人一人に口頭試験を行う。チャングムはそれを聞きながらすらすらと独り言で答えている。最後の見習いが合格したあと、ハン尚宮が「あと一人足りない」という。不審に思う一同。その時、外で泣き声が聞こえる。駆けつけてみると、ヨンノが水を掛けられて泣いていた。チャングムに悪戯したらしい。試験を受けさせてもらえるよう直訴するチャングム。女官長は承諾し、試験が始まる。第一問は「正三品以上の官職を全て挙げよ」。ハン尚宮始め、一同は懸念するが、チャングムはすらすらと答える。驚く一同。第二問は「曹操が軍の退却を命じた時の暗号は」。「鶏肋」と答えるチャングム。一同はさらに驚く。女官長は「ハン尚宮が面倒を見るように」と言う。
ハン尚宮の部屋でハン尚宮はチャングムに「なぜそこまでして宮中に残りたいのか」と尋ねる。「水刺間の最高尚宮になりたい」と答えるチャングム。それを聞いたハン尚宮は「水を持ってくるように」と命じる。チャングムが水を持ってくると、「やり直し」と言う。何度やっても同じ事だった。
チャングムがチャンイに「最高尚宮様にご挨拶に行くように」と伝言される。その時、尚宮たちは最高尚宮を囲んで、最近続いている土雨(トウ)の対策を話し合っていた。その場に着飾ったチャングムがやってくる。最高尚宮は「挨拶に来るよう命令は出してない」と言う。ハン尚宮はチャングムをチョバンに預ける。チョバンはチャングムに皿洗いを命じる。チャングムは朝早く起きてどこかに行くようになった。ハン尚宮は訝しがる。チョバンに聞いても朝早くからやる仕事は命じてないと言う。ある朝、ハン尚宮がチャングムの後をつけていると、ミン女官が血相を変えてやってくる。王太后殿の厨房で食べ物が傷んでいると言う。王太后殿厨房で話し合いをしているところに、東宮殿の厨房でも食べ物が傷んでいるという報告が入る。水刺間が心配になった一同は水刺間に向かうが、食べ物は傷んでいない。しかし、器が無いという。チャングムが洗い物を担当している事を知った一同は洗い場に向かう。すると、チャングムが湯を沸かして、さました水で洗い物をしていた。チャングムの母親の知恵で、土雨が続くときはそうしないと食べ物が傷むという。感心する一同。チェ尚宮は、すぐに他の厨房に知らせ、同じ対策を取らせるよう指示する。また、洗い物はチャングムだけでなく、全員でやるよう命じる。
その夜、ハン尚宮はチャングムにもう一度水を持ってくるように言う。チャングムはなぜ何度も同じ事を言うのかと尋ねるが、ハン尚宮は「もう分かっているはず」と言う。チャングムは土雨の時に沸かした水で洗い物をする母親の知恵から、はっと気がつく。ハン尚宮に「おなかは痛くないですか・・・」といろいろ尋ねる。ハン尚宮が「喉が少し痛い」と答えると、チャングムは少し塩を入れた温かい水を持ってくる。美味しそうに飲むハン尚宮。ハン尚宮は、たとえ一杯の水でも器に盛れば立派な料理だという事をチャングムの母親は知っていたのだ、と感心する。そして、自分の方が教えられたと言うのだった。
水刺間でチョバンたちが、競合について話している。クミョンという少女がいつも特別扱いをされていて、自分たちには勝ち目が無いと不平を言う。するとヨンノが、今度の課題を教える。チョバンたちは内緒で練習する事にする。松の実刺しを命じられるチャングムたち。ヨンセンが元気が無い様子が気になるチャングム。ヨンセンの母親の具合が良くないので心配だと言うのだ。滅火軍の武官から消灯を命じられたチャングムは、ヨンセンを休ませ、月の明かりの下で松の実刺しをする。そこに、以前王殿で出会った少女がやってくる。彼女から松の実刺しの極意を教えてもらうチャングムだった。

解説

ミン女官に厳しくあたられるチャングムですが、チャングムが医女として活躍する頃はミン尚宮がすっかりチャングムを頼っています(第49話)。今回はチェ尚宮が公平です。また、チェ・パンスルの「仕事をしっかりこなす人だ」というオ・ギョモ評は興味深い。クーデーター(中宗反正)を成功させたキーパーソンですから、改革派の急先鋒と言ったところ。それがいつの間にか守旧派になって行きます。
また、王殿で出会った少女(クミョン)が何をしに来たか分かりませんが、何かの練習に来たのだと想像されます。クミョンが所謂特別扱いされている訳ではない事が次話で明かされますが、実力を保つために陰で努力しているというエピソードです。

今週の名言

「一杯の水でも器に盛って出せば立派な料理なのです」

ハン尚宮に「水を持ってくるように」言われたチャングムが、やっとその意味を理解し、ハン尚宮がチャングムの母親(ミョンイ)が立派な人物であったと感心する場面の台詞。(この時点では、ハン尚宮はチャングムの母親が親友だったミョンイだと知らない)
※韓国語の台詞では「水も料理の大事な一部ということをお母様(ミョンイのこと)はご存知だったのですね」ということらしいですが、今回に限ってはNHKの日本語台本が良いですね。