宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第16話 真心

王太后(大妃)は、庶民の食べるソルロンタンに隠し味で高価な牛乳を入れたチャングムの料理より、牛乳を敢えて入れなかったクミョンの料理に軍配を上げる。ハン尚宮はチャングムに、療養中の保母尚宮の世話に行くよう申し付ける。チャングムの謝罪も聞かないハン尚宮であった。一方、チャングムの抜けた穴を埋めるべく、ヨンノ、チャンイそしてヨンセンがハン尚宮に競い合いの手伝いを申し出る。それぞれに“水の試験”、“薬草の試験”、“味を描く試験”を課すが、誰もできない。ハン尚宮は「チャングムを贔屓しているのではなく、能力があるから助手に指名した」と言う。

療養中の尚宮の居るウナム寺に来たチャングムであったが、元気が無い様子に一足先に来ていたカン・ドックとミン・ジョンホは訝しがる。そんなチャングムを、カン・ドックは海に誘う。チョンホも来ていて、楽しそうに戯れる二人。その夜、チャングムは両親が亡くなった理由を涙ながらにチョンホに打ち明ける。言葉をなくすミン・ジョンホ。
翌日、市場に行った帰りに何者かに襲われるチャングムとチョンホ。実はチョンホは、成均館の学田の収穫量が激減した理由を探るべく調査に来ており、人参の横流しの事実を掴んだため狙われたらしい。
辛うじて寺に逃げ帰り、手伝いの男に匿ってもらう。彼の出した料理の味に驚くチャングム。料理法の秘訣をしつこく尋ねるチャングムだが、寺男は「秘訣は何も無い」と言う。
そんな時、尚宮の「幼い頃、兄のくれた米が食べたい」という願いに対して、干した米ではないかと気がつくチャングム。早速寺男に尋ねると、それは「オルゲサル」だと答える。しかし、オルゲサルをつくるには数日天日に干さないといけない。「時間が無い」とチャングムは火で炙って米を乾かし、尚宮に出すが、「似ているけど、あの米ではない」と言われる。数日して、寺男が「オルゲサルができた」と持って来た米を、尚宮は喜んで食べる。手間ひまかけることの大切さに気づくチャングム。寺男は、母親から「どうせ腹一杯食べることができないなら、真心だけでも一杯食べてお腹を満たそう。だから何があってもいい加減なものを絶対に人様にお出ししてはいけないよ」と言われた話をする。ハン尚宮の真意を悟ったチャングム。チョンホはそんな師匠が居るチャングムをうらやましいと言う。

解説

第4話で、「一杯の水でも器に盛れば立派な料理」だと悟ったはずのチャングムでしたが、才能にまかせて手間ひまかけて料理を作ることを忘れかけていました。ハン尚宮がヨンノ、チャンイ、ヨンセンに出した課題は誰もできませんでしたが、途中で諦めるか諦めないか、が分かれ目のような気がします。もちろんチャングムは諦めなかった訳ですね。
医務官(チョン・ユンス)とチャングムはここで始めて出会ったのでしょうか。後の運命を考えると、市場に薬草を買いに使いに出すシーンなど、暗示的です。
NHK版ではカットされていてつながりがよく分かりませんが、クミョンはミン・ジョンホのために料理を作って寺まで届けに来たのですね。しかし、チャングムとチョンホの話を聞いて穏やかならぬ心境のクミョンでした。

今週の名言

「腹一杯食べることができないなら、真心だけでも一杯食べてお腹を満たそう。だから何があってもいい加減なものを絶対に人様にお出ししてはいけない」

本物のオルゲサルを出した寺男がチャングムに言った言葉。療養中の尚宮も、寺男も、そしてチャングム自身も貧しい子ども時代を送ったらしいことが分かりますが、チャングムは自惚れてしまいました。しかし、ミン・ジョンホは、チャングムは「そんな人ではない」と信じています。