宮廷女官チャングムの誓い 今週の名言

第34話 王の怒り

シン教授はもう一度、薬と毒を区分する試験を行う。チャングムをはじめ、修練生たちが問題に取り組む。回答用紙を回収したシン教授は、チャングムの答えを見てチャングムに尋ねる。「薬と毒の区分は?」。チャングムは、薬と毒は区別できないと答える。薬も使い方によっては毒になるというのだ。シン教授はその通りだと言う。前回の区分試験で、薬とその副作用について記述したのはシンビだけだったので、シンビのみが合格となったと説明する。納得する一同。シン教授は、薬と毒は使い方によって変わるので、医者に無知や失敗は許されないし、それ以上に傲慢は許されないと言う。
チャングムはシン教授に会いに行く。シン教授は、医者に求められる人物像を語る。しかし、人間は変わるのは難しいから謙虚さを心に刻むようにチャングムに言う。その話を聞いていたシンビは、シン教授が厳しいのはチャングムに期待しているからだと言う。そしてシンビは、幼い頃体が弱く、死ぬかも知れないと思っていたこと、役所の医者に治療してもらったが家が貧しくお礼ができなかったことを話す。そして、その医者から「治療してもらってありがたいと思ったら、いずれ世の中にお返ししなさい」と言われたことが医女を目指す理由だと打ち明ける。チャングムはそれを聞いて何かを考えている。

チョドンが他の修練生たちに難産の話をしている。感心する一同だが、研修で実際の出産に立ち会って気絶してしまう。患者の世話をする修練生に厳しく声をかけるシン教授、試験に備えて書物を必死に読む修練生、事故でけが人が多数搬送されてきて、治療にあたるシン教授と修練生たち、そんな日々を過ごしているチャングムのもとに来客がある。チャングムが行ってみると、それはチャンドクだった。済州島から医女試験があることを知らせに来たと言う。チャンドクはチャングムが病気に違いないと言う。何故なら、チャンドクでさえ辛かった医女修練なのに、チャングムは元気にしているからだと言うのだ。そこに、チョン・ウンベクがやって来る。久しぶりのチャンドクとの再会を祝うつもりだったのだが、悪い知らせをもたらす。チャングムが不可3つで落第したと言うのだ。驚くチャングムとチャンドク。
修練の最終日、イ・ヒョヌクが成績の集計をして明日発表すると言う。立ち去り際に、チャングムを見て意地悪く薄笑いを浮かべる。シン教授はイ・ヒョヌクにチャングムを落第させることに抗議するが、イ・ヒョヌクはシン教授の過去を持ち出して反撃する。
ウンベクは、チャングムにもはや手だては無いと告げる。チャンドクも、次の医女試験の機会はあるだろうが、同じことの繰り返しになると言う。
チャングムは落胆して市場を歩いている。思い立ってミン・ジョンホ宅を訪ねるが、不在だと告げられる。
ウンベクは、シン教授を説得している。上訴しても無駄だというのだ。何かを考えているシン教授。チャングムはシン教授に声をかけるが、何も言わずシン教授は立ち去ってしまう。
翌日、発表の日が来た。シン教授が発表する。「シンビ、不可3つ落第。チャングム、不可3つ落第。」しかし、他の修練生も次々と落第が告げられていく。何と、全員が落第という結果だった。チャングムとシンビは、シン教授の作戦に気づく。イ・ヒョヌクたちから発表の結果を知らされた左賛成は、膨大な予算を使って医女修練を行っているのに、全員不合格とは納得できないといい、自ら再試験を実施する。患者の診察、薬剤の名前、口頭試験を行った結果、むしろ例年より優秀な修練生たちだったことが分かる。左賛成はイ・ヒョヌクたちに、特に優秀だったチャングムが不合格になった理由を問いただす。シン教授は、医師の資格を持たないで治療を行ったこと、薬と毒の区分試験に合格しなかったことを告げる。一方のイ・ヒョヌクは素養が足りないと曖昧な答えをする。また、シン教授が不可を付けた修練生は、実習に来なかったことが理由だと言う。左賛成はシン教授を退席させ、イ・ヒョヌクを問いつめる。案の定、イ・ヒョヌクが医女を妓生の代わりに酒宴に出席させたことを知る。
その頃、ウンベクはチョンホに、チャングムが不可3つで落第したことを知らせる。チョンホは事実の確認に向かう。
左賛成は王に、医女修練生が全員落第したことを報告する。そして、その理由が医女を妓生の代わりに酒宴に出席させたことが原因だと言う。王はそれを聞いて怒る。オ・ギョモは医女が妓生の代わりになるのは慣行だと反論するが、王はそれを一蹴する。今後医女を酒宴に出席させないよう厳命する。王殿からでできた左賛成をチョンホが迎える。そして、左賛成の意見が採用されたことを知る。
修練場でシン教授が修練生たちに医女の資格証を配っている。恵民署に行く者、地方に行く者、採用されなかった者、いろいろだ。チャングムの番が来た。チャングムは宮中に配属と言われる。喜ぶチャングム。シンビも同じく宮中に配属になる。感慨深げに修練場の部屋を見渡したチャングムは、その場を立ち去る。そして、門でチョンホに出会う。チョンホが結果を尋ねると、悪戯っぽく合格を告げる。
カン・ドックが酒を売っている。神仙固本酒という触れ込みだ。それを見ていたチャンドクが、偽物だと言う。部屋に入ったチャンドクに、ナジュテクは邪魔をするなと言うが、逆襲にあってしまう。そこにチャングムが帰ってくる。医女合格を喜ぶトックたち。宴席の厨房でチャンドクはチャングムに、宮中での医女の地位は低く、厳しいと告げる。また、済州島には戻らないとも言う。
翌朝、チャングムは宮殿に出勤する。懐かしげに水刺間の前を通りかかるチャングム。内医院で医女のピソンがチャングムたちを迎える。1年間の修練期間があり、その間に採点をすると言う。そして、医女のウンビに指導をするように言って立ち去る。ウンビが見学と実習が主だと行った後、女官宿舎から呼び出しがあったのでチャングムたちに対応するように命じる。チャングムたちが行ってみると、肌の手入れをするように言われる。シンビは反抗するが、チャングムは素直に従う。それが宮中の医女の現実だった。
その夜、王后が倒れてしまう。関係者を招集して対策会議が開かれる。チャングムたちも同席する。最高尚宮が遅れて入って来る。それはクミョンだった。驚くチャングムとクミョン。

解説

シン教授の作戦勝ちです。シン教授のお陰でチャングムは医女になることができました。シン教授は医術をチャングムに教えただけでなく、その地位も授けてくれたのです。その意味で、シン教授の功績は計り知れません。
ところで、「うれしいですか?悲しいです」「悲しいですか?うれしいです」「怖いですか?わくわくしています」「わくわくしていますか?怖いです」−チャングムとミン・ジョンホが修練場から連れ立ってカン・ドックの家に行く途中の掛け合いの台詞ですが、NHK版ではカットされています。この場面は後の伏線(第50話)になっていると思うのですが、カットは残念です。

今週の名言

「医者は聡明な人間ではなく、深みのある人間が良い」

シン教授がチャングムに言った台詞。このストーリーの名言の中でも1位2位を争う良い台詞です。結局シン教授の過去の失敗は語られませんが、苦い経験から出た言葉と推察されます。